〔マイブックコレクション⑥ 社團法人ジヤパン・ツーリスト・ビユーロー発行「旅程と費用概算」〕

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今回紹介する本は、昭和15年11月15日に社團法人ジヤパン・ツーリスト・ビユーロー(日本旅行協會)〔現JTB〕より定価貳圓五拾錢で発売された「旅程と費用概算」である。この本は、1163ページで日本各地はもちろん当時植民地だった「台湾」、「朝鮮」、「満州」、「樺太」等の観光地、交通手段、モデル観光旅行日程案、気候、土産、食事等が詳細に掲載されている。この中で特に目をひいたのは、「満州(現中国東北部)旅行」である。これには「旅行証明に就て」という重要項目があり、次のような内容になっている。『北支方面へ旅行するには次の如き準備が要る。之を忘れて行くと、逆戻りして再び出直さねばならないから、充分注意を要する。現在北支方面に旅行する場合には「北支旅行身分証明願」、移住せんとする場合には「北支移住身分証明願」が必要である。この証明書を受けるには所轄警察官吏派出所より「居住証明書」を受け、これを持って更に所轄警察署に出頭し、前記旅行身分証明願又は移住身分証明願二通に夫々本人写真添付の上提出すれば一通は警察控へ、一通を本人に下付される。証明書の下付は無手数料である。この旅行証明の検査は陸路山海関経由の場合は、山海関領事館警察官が車中で、海路塘沽又は天津より入国せんとする場合は船中に於て何れも厳重な検査が施行され、若し証明書を必要と認められたる者で之を所持していなければ入境を拒絶される事になって居る。但し、軍人官吏にして制服着用の場合は不用である』。これを読むと、当時の世界情勢が何となくわかるような気がする。また、鉄道ファンには非常に懐かしい「特急あじあ号」の「特急料金表」が載っていて、次のような説明がある。『小児の料金は運賃同様満六歳以上満一二歳未満は半額、六歳未満は無料であるが単独に乗車するとき、乗車券所持者に同伴されても六歳未満の小児が三人を超ゆるとき、特別急行列車の座席を使用するとき等の場合には半額の料金を支払はねばならぬ。又、特別急行券は列車出発の日の四日前から発売する。特別急行列車は座席を保証する為其の急行券に御乗車の月日、乗車駅及御乗込になるべき客車の順位番号が記入されるから指定の列車以外には通用しない』。それと、現在も厳しい状況が続いている朝鮮半島を縦断する「急行列車」の「料金表」なども載っていて、当時のアジアの情勢がよくわかる貴重な資料でもある。

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